筋肉のエネルギー消費と疲労
筋は収縮運動によってエネルギーを消費しますが、すべてが効率よく使われる訳ではなく75%以上は熱になります。機械と比較すると非効率的な運動時のエネルギー消費なのですが身体の体温維持という視点からみれば当然の話です。例えば重量を支えるような収縮の時は仕事をしないのでエネルギーは全部熱になります。エネルギーのうち仕事になる部分と熱になる部分との比率は引き上げる重量が大きいほど、また収縮速度が遅いほど良くなりますが一定の重量を超えるか、あまりゆっくり短縮する場合はかえって悪くなります。例えば普通の勾配の階段をあがる時、2秒に一段くらいの速度が最も効率が良いことになります。筋肉に運動させる時にも、この効率を考えた動きが大切です。また筋肉の収縮を続けていると次第に筋力が弱っていきます。これは乳酸菌などの疲労物質が筋肉に貯まり、筋内が酸性に傾き種々の化学反応の触媒である酵素がうまく働かない為に起こります。結果、コリになる訳です。勿論これ以外に神経から筋肉に興奮を伝達する物質が足りなくなり脳内の神経疲労も加わる為に筋肉自体の疲労ではない場合もあります。血液中に乳酸や二酸化炭素のような酸が多くなる事が原因になるようです。
※ 触媒(しょくばい)・・・化学反応の速度を変化させる物質。反応速度を増加させる物をさすことが多い。厳密な定義では反応後、触媒は反応前の状態に戻ることとされるが実用上そうでない場合も含まれる。化学反応の酵素は触媒である。