腹圧のコントロール
腹腔と胸腔を隔てているのは横隔膜です。咳やくしゃみをしたときなど、横隔膜が急激に収縮が起こり、腹圧が上がります。大笑いしたときなども同様に、腹直筋などが収縮をしたりして腹圧が上がります。このように腹圧が上がったときにはどこかにその圧を逃がす必要があります。そうでなくては、急激に上がった腹圧は、特に内臓の下端にある膀胱や直腸、女性であれば子宮や卵巣、男性であれば前立腺などの臓器にダイレクトに圧がかかってしまいます。そうなると臓器にかかる負担は大きくなってしまいます。ここで緩衝作用があるのが骨盤底筋群です。骨盤底筋群がくしゃみや咳などの急激な腹圧の変化に対応しています。 腹圧が上がったときに骨盤底筋群の緩衝作用がなければ臓器にダイレクトに圧が加わってしまうのです。要するに骨盤底筋群は遠心性に収縮をすることになります。骨盤底筋群の筋力や筋出力が低下している場合には骨盤内臓器の位置も下がり、その上に腹圧が加わると緩衝作用として働こうにも働けず、腹圧性の尿失禁になってしまったり、ひどい場合には子宮脱など、臓器脱につながってしまいます。骨盤底筋群は骨盤内臓器を支えながら、保護の役割も担っており、無意識の中のコントロールで働かなければなりません。そこで必要なのが体軸理論を応用した体の使い方になります。無意識下で適切な筋出力の発揮が可能になるのです。