練習中に水分をこまめに取らしているだけではダメ
高校野球などでは、障害予防の他に、熱中症の予防についてよく聞かれます。勿論、このご時世ですので、練習中も試合中もNaを含んだスポーツドリンクで水分補給は、こまめにしているそうです。なのに、勝ち進んでいくと熱中症の選手が出てくると・・・。「大会中のアップから水分はしっかり取らせているのに・・・」と監督。
アップ中からの水分補給では遅いとアドバイスをします。
【毎日の体重管理が必要】
なぜなら、アップからではなく、前の試合が終了した時から、次の試合に向けてしっかり水分補給をしなくてはいけないからです。その為には毎日の体重管理が必要です。例えば、1試合で2L汗をかいて、こまめに水分補給をしても、水分補給の合計が1.5Lしかないと。0.5Lの脱水状態になります。極端な話、5試合で2.5Lの脱水になります。体重の2%~4%の水分を失うと危険な状態と言われております。6試合目の準決勝は危険な状態でのプレーボールとなりかねません。この様にならないように、試合後や練習後は、決まった時間に体重を測定し、1kg体重が減少していたら、入浴前後、食後などいつもより多めに水分を取るように心掛け、出来るだけ早く元の体重に戻すように管理をする事が重要かと思います。
【痩せたは、危険信号】
甲子園をベスト8くらいまで勝ち抜いたチームの2年生レギュラーが、「甲子園から戻ったら5kg痩せていました」と、これってかなりの脱水状態です。いつ熱中症になってもおかしくない状態ということです。
【カフェインも避けたい】
試合後、選手がお弁当を食べながら、お弁当についている緑茶を飲んでいる光景をよく見ます。確かにお弁当には緑茶が合いますが、夏の大会中は利尿効果のあるカフェインは避けたいところです。
【熱中症にも科学的な視点を】
以上の見解は、経験・勘・文献などを読んだ内容です。本当に、体重管理を徹底すれば熱中症にならないのか?統計的にしっかり解析し、選手を守る必要があります。