ひざ痛の予防は内側から
中高年になってくると膝の痛みが出たり、下腿骨が弯曲してガニ股になる人がいます。これは膝関節を支持する筋力の低下、特に下腿の内側の筋力低下が問題なのです。私達の身体は、ゆっくりした動きの時は、体重を小趾側にかけて外側に付着している筋肉群を使い、速い動きの時は大きなキック力を得るために拇趾球に体重をかけて下腿の内側についている筋肉群を使うという特性をもっています。ですから運動不足で、速い動きが少なくなると必然的に内側の筋力が低下してくるのです。たとえば下腿三頭筋には内側、外側に分れる腓腹筋とその下層にヒラメ筋があります。腓腹筋は速筋の割合が多く、ヒラメ筋は遅筋の割合が多くなってます。
この筋肉は、足底屈筋群として働くと同時に、腓腹筋の外側は下腿の骨を外側に、内側は下腿の骨を内側に引っ張って膝関節をバランスよく保ちます。中高年になってゆっくりした動きが多くなると、腓腹筋の外側の筋肉は遅筋割合が多くなり筋力は現状維持か、多少発達します。しかし、内側はほとんど使われず、筋力が低下して下腿骨を内側にひっぱる力が弱くなると膝関節のバランスが崩れ、下腿骨が徐々に外側に曲がり、ガニ股になったり、膝痛の原因になってくるのです。また大腿部の内側にある大腿内側広筋も筋力低下して膝蓋骨を上内側に引っ張る力が弱くなることで、膝蓋骨と大腿骨が擦れて膝痛の原因になります。
膝を守るためには速く動く運動も必要なのです。