第31回 水中運動の効果を再確認!
水中は陸上と違って、楽に効率的に運動ができるという利点があります。それは、水の4つの特性のおかげです。
浮力・・・肩まで水につかると、浮力のため、体重は十分の一程度に軽くなります。膝や腰にかかる負担が陸上よりも小さくなるので、膝や腰の痛みがある人や肥満の人は、あまり体に負担をかけずに、十分に体を動かすことができます。
水圧・・・水圧のため、深い腹式呼吸ができるようになり、呼吸機能が高まります。また、血液が戻りやすく、心臓からたくさんの血液が送り出されるようになるので、血行がよくなり循環器の機能が向上します。
抵抗・・・水中で体を動かすと、体のあらゆる方向から負担がかかり、抵抗を受けます。そのため、エネルギーがたくさん消費されます。また、水の抵抗によって関節などに大きな力が瞬時にかからず、障害も少なくなります。
水温・・・水の熱伝導率は空気よりも大きく、またプールの水温は体温よりも低いので、水中にいると体の熱がどんどん奪われます。これを防ぐために、エネルギー生産が活発になり、体脂肪が燃えやすくなります。これらの水の特性によって、水中では、激しい運動をしなくても心臓が活発に動き、楽に運動効果が得られます。また、「手足を動かす速さを変えたりして負荷を調節できるので、体力や体調に合わせて無理なく運動ができる」「転倒して怪我をする心配がない」「全身をくまなく使うので、バランスのとれた体作りに役立つ」と、水中運動はいいことずくめです。体力や体調に合わせて、自分で調節できるのが水中運動なのです。さらに、水の心地よい冷たさ、筋肉が重力から解放される気持ちよさで、精神的にもリラックスでき、ストレスも解消します。水中運動は、体も心も元気にしてくれる、まさに中高年向きの運動といえるでしょう。