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第28回 行きはよいよい帰りは怖い

  • 2016年1月2日
  • 読了時間: 2分

登山は登りよりも下りのほうが危ないとか、変形性膝関節症などで膝が悪いときの階段の昇降では降りる方がきついといわれます。これには大腿四頭筋の働き方が関係しています。大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋)の働きは膝関節の伸展ですが、大腿直筋だけは起始が下前腸骨棘と股関節臼上縁ですので股関節の屈曲にも関与しています。登るという運動は、運動エネルギーを位置エネルギーに変換すること、つまり自分の身体を持ち上げるということです。このとき大量の酸素を消費しますので、エネルギー代謝がしっかりできます。ところが、下りは位置エネルギーを運動エネルギーに変換するのですが、この時、エネルギーはほとんど使いませんから、一見登りのほうが負担は強くなり、疲労も蓄積しやすいようにみえます。しかし、この登りと下りの運動は大腿四頭筋の使われ方がまったく違い、そのために負担は下りが強くなるのです。つまり登る場合、大腿四頭筋は身体を持ち上げるわけですから長さが縮みながら力を出します。いっぽう、下りのときは筋肉は引き伸ばされながら力をだします。通常、筋肉は縮みながら力をだすのですが、下り坂や下り階段では筋肉が引き伸ばされながら力を出さなければならないという不自然な使われ方をしているので、そのような動作では、筋力が弱い人は筋細胞が壊れやすく、エネルギー代謝も悪くなります。そして、急激に筋力が低下するために、膝がガクガクするようになったり、硬直化して断裂しやすくなるのです。また、正常な膝にかかる力は平らな道で体重の2~3倍かかりますし、坂道や階段では体重の5~7倍の力がかかるといわれています。ですから、膝への負担は大変なものになります。

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