ドローイン
前回に引き続き「身体の安定性」についてのお話です。
治療の中でバレエをされている方を診させて頂く機会があります。競技の特性からか、体の感覚が鋭い方が多いように感じます。またアラベスクなど、脚を後ろに引き上げる特徴的な動作が多い為、仙腸関節や腰仙部(骨盤と腰椎の間の関節)の可動性が過多になり易く、腰痛が出易いようです。このような腰痛を止める為には、腰に負担を掛けないように、胸郭や背中の動きを作る為に股関節を緩める必要があります。痛みが出ている腰を安定させる事が大事な治療になっていきます。この腰の安定性、骨盤の安定性、仙腸関節の安定性等に必要なものが「ドローイン」になります。ドローインは、腰痛防止、ウエストの引締め、姿勢の改善等、様々な効果があると言われています。バレエだと「引上げ」という言葉になるそうです。ドローインでは、お腹の横にある腹横筋、腰の多裂筋、内臓を下から支える骨盤底筋、呼吸に関連する横隔膜等の、腹部インナーユニットを活性化させることで体幹部が安定します。強い身体の軸が出来上がる事で、安定した早いターンを行うことが出来るようになります。ただ、ドローインを正確に行おうとすると、この感覚が非常に難しく、自分が正しく出来ているか分からないという話をよく耳にします。確かに正確にドローインを行う事は難しいです。ドローインを含め、身体の使い方についてアドバイスが出来るように引き続き精進していきたいと思います。
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