第24回
運動して筋肉を鍛えることは全身の養生になります。筋肉は第2の心臓といわれるように心臓循環器系に影響しています。特に筋肉の70%が脚にあるのでウォーキングなどで下半身を鍛えることは重要です。脚の血液は静脈の静脈弁が逆流を防ぎながら、筋肉ポンプ作用で心臓に戻ります。老いは足腰からといわれますが、その筋肉が衰え減少してくると筋肉ポンプ作用も低下して、心臓に負担をかけて血圧の上昇につながるので、下肢の筋肉を鍛えることが養生になるのです。また、歩く、立つ、座る、交互に手を動かす、身体のバランスをとるなど、脚、腰、背中などの筋肉や腱から、身体の姿勢を正そうとし脳に情報がいき、その刺激が脳の活性にも役立つのです。運動不足でその情報が少なくなってくると脳の機能低下の原因になったり、起立時にバランスを崩して転倒し、骨折を起こす危険が増加するのです。女性では骨粗しょう症対策として、食べ物からカルシウムをとりますが、その吸収をよくするためには適度な運動が重要です。運動をして荷重をかけると骨芽依細胞の活性化と骨の圧電位の発生により骨形成が促されるのです。一日平均25分以上のウォーキングをすることで骨量の低下を増加させたという研究報告があります。ウォーキングは下半身の筋肉増強、骨の強化とともに血液循環を改善し、脳の活性化に役立つ養生法です。