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股関節周囲筋を機能させるポイント

股関節の機能はADL上非常に重要であり、床上動作から起立、歩行動作まで股関節がどのくらい機能するかで大きく変わってきます。また、股関節の周囲にある筋はどれも重要な筋が多く、各々がバランスを取り合うことで最適な股関節の状態を維持しています。 その中でも中殿筋の後部線維や大殿筋は機能低下を起こしやすく、大腿骨頸部骨折後のリハビリテーションでも基本動作や跛行の改善に向けて問題となることが多いです。この中殿筋や大殿筋にアプローチする際、どのようなアプローチをするでしょうか。直接筋をリリースすることで筋出力を向上させる、筋力トレーニングを行うなど様々だと思いますが、他の組織との関係性を考えていくと治療効果が大幅に向上します。例えば、対側の中殿筋・大殿筋の機能はどうか、拮抗筋である内転筋の影響はあるか、筋膜のつながりを考えると下腿(対側も含む)や体幹、頸部もアプローチの対象となります。その関係性を捉えられれば直接筋にアプローチしなくても筋出力は向上し、股関節機能の改善、動作の改善へとつながっていきます。さらに、体軸を応用すると筋・骨格系とは別の視点で動作を捉えることができ、筋⇔骨格⇔体軸と様々な方向から相乗的にアプローチすることが可能となります。股関節機能向上を目指す際はこのように様々な視点で評価し、関係性を考えてアプローチしていきましょう。

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