腰仙椎移行部と脊柱すべり症
腰仙椎移行部は構造的な弱点があります。第一仙椎の関節面が傾斜をなし、その上に第5腰椎の椎体が過前方にすべる傾向があるということが証明されているのです。特に女性は、妊娠出産を機に体の身体的変化が起こります。腰椎の平坦化(前弯の減少)、自然分娩における出産時には仙骨のニューテーション(うなずき運動)が起こり、出産を終えます。このことからも、妊娠後には第1仙椎と第5腰椎では剪断力が生じやすくなり、すべり症の症状が発症してしまうことがあるのです。また出産直後は骨盤底筋群の働きや、腹横筋などの働きが低下しており体幹を支える機能が低下しているため、骨関節にストレスを受けやすく、これにより腰痛などを訴える方が多くいるのです。妊娠期から体の変化を学び、出産がどのようにして起こり、産後にどのような体の変化になるのかを知っておくだけでも十分な予防になります。