行きはよいよい、帰りは怖い
登山は登りよりも下りの方が危ない。変形性膝関節症などで膝が悪い時の階段の昇降では降りる方がキツイと言われます。これには大腿四頭筋の働き方が関係しています。大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋)の働きは膝関節の伸展運動する為の筋肉です。大腿直筋だけは、起始が下前腸骨棘と股関節臼上縁なので股関節の屈曲にも関与します。登るという運動は、運動エネルギーを位置エネルギーに変換する事で、自分の身体を持ち上げる事です。この時、大量の酸素を消費するのでエネルギー代謝されます。下りは位置エネルギーを運動エネルギーに変換しますがエネルギーは殆ど使いません。一見、登りの方が負担は強くなり、疲労も蓄積しやすいように見えますが、登りと下りの運動は大腿四頭筋の使われ方が全く違い、負担は下りが強くなります。登る場合は、大腿四頭筋が身体を持ち上げるので長さが縮みながら力を出します。下る場合は、筋肉は引き伸ばされながら力を出します。通常、筋肉は縮みながら力を出しますが、下り坂や下り階段では筋肉が引き伸ばされながら力を出さなければならないという不自然な使われ方をするので、このような動作では、筋力が弱い人は筋細胞が壊れやすくエネルギー代謝も悪くなります。急激に筋力が低下する為に膝がガクガクしたり、硬直化して断裂しやすくなります。正常な膝に掛かる力は平らな道で体重の2~3倍掛かります。坂道や階段では体重の5~7倍の力が掛かると言われています。膝への負担は大変なものになります。