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慢性硬膜下血腫①

  • watahikihonehone
  • 2016年2月26日
  • 読了時間: 4分

頭部外傷から数週~数カ月の後に頭の中に出血が起こることがあります。頭の骨(頭蓋骨)のすぐ内側には硬膜と呼ばれる膜がありますが、この硬膜の内側にじわじわと出血が起こって血液の塊(血腫)が出来た状態を慢性硬膜下血腫といいます。下の図は慢性硬膜下血腫と周囲の構造物の関係を示したものです。普通、血腫は硬膜の下に被膜と呼ばれる膜状の組織に取り囲まれています。

被膜は外側の外膜と内側の内膜からできており、被膜の中にじわじわといつのまにか出血が起こります。原因は特定できないこともあります。中高年者、お酒の好きな方、男性に多い傾向があります。 下の写真は頭のCTの写真です。左は正常、右は慢性硬膜下血腫です。それぞれの写真で脳の表面のしわの形をよく見て下さい。正常例では脳のしわの見え方はほぼ左右対称ですが、慢性硬膜下血腫では写真の右側の脳のしわがよく見えません。さらに詳しく見てみると、頭蓋骨と脳の間に三日月型をした灰色の部分が見えます。これが血腫です。

血液や髄液などがほんの少し貯まっただけでは無症状のことがほとんどですが、血液の量が多くなると次第に脳を圧迫して症状がでてきます。症状は頭痛、手足の麻痺、歩行障害、思考力の低下、痴呆症状、てんかん発作などです。脳梗塞などの脳血管障害や脳腫瘍などの症状と似ているものもあります。これらの病気は一度症状がでてしまうと元通りにはならずに後遺症が残ってしまうことが多いのですが、慢性硬膜下血腫は簡単な手術で大抵よくなります。

●手術方法

穿頭ドレナージ術、穿頭洗浄術などが行われます。血腫のあるところの真上の皮膚に局所麻酔を行ってから切開します。頭蓋骨に小さな穴をあけて、硬膜と被膜(外膜)を切開して血腫の中に柔らかい管を入れます。血腫の中身は多くの場合は液状なので管を通じて取り除くことができます。管を入れた状態にするだけでも中の血腫は自然に排出されてきます。この方法を穿頭ドレナージ術といいます。手術中に管を通して血腫の中に生理食塩水(体液の浸透圧と同じ濃度の食塩水)を入れて血腫を洗い流す場合もありこれを穿頭洗浄術といいます。手術に際しては輸血の予定はありません。手術時間は片側で約30分くらいです。術後は血腫のところに1~2日間ほど管を入れた状態にしておき、管を通して残りの血腫をゆっくりと取り除きます。CTで血腫が十分取り除かれたことを確認の上で管を抜きます。約1週間後に抜糸を行い、問題がなければ退院となります。経過が良ければ2-3日で退院し、外来で抜糸することもあります。

●手術の必要性

慢性硬膜下血腫は小さければ何もしなくても自然に治ることもありますが、何らかの症状が出る程まで大きくなった場合は、自然には治るにしても大変時間がかかりますし、放置すると血腫がさらに大きくなり脳を圧迫して、意識障害や麻痺が悪化する可能性があります。最悪の場合は死亡する危険性もあります。症状が出ていても早めに手術をすれば速やかな症状の改善が期待できますので、このような場合は手術をしたほうが良いです。時に血腫の中に急に大量の出血が起こって急性の増悪が生じることもあります。

●手術の危険性

頭の手術ですが、脳に直接触れることはほとんどなく、一般的には危険は少ないです。また局所麻酔で行えるので、高齢の方や全身状態がよくない方でも比較的軽い負担で治療ができます。しかし手術である以上は100%の安全を保証することはできません。まれには出血や感染などの合併症があります。ほとんどの場合はこの手術で治癒しますが、時には血腫が再発したり、血腫のあったところに髄液が貯留して治療効果が不十分なこともあります。このような場合には再手術をすることもあります。再手術はもう一度同じことをするか、または血腫の真上の骨をもう少し広く外して血腫を被膜ごとを取り除いたりします。傷が大きくなったり、時間がかかるような時は全身麻酔で行います。

 
 
 

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