変形性股関節症患者の荷重パターン
変形性股関節症患者の歩行は、骨盤前傾・腰椎前弯が強く、体幹は側方に動揺している場合が多くあります。そのため非効率的な動作になり、疼痛が改善しない悪循環に陥ってしまいます。そこで股関節の屈筋群や脊柱起立筋群は過剰に緊張しているため、ベッド上でそれらの筋群の緊張を緩和するアプローチしても、立位になるとまた緊張が強い状態に戻ってしまうという場合は経験ないでしょうか。そのような場合は、次のポイントを考えて評価しましょう。
1.疼痛の影響
2.荷重方法
実際にはこの両者が関係している場合がほとんどです。そして我々が考える変形性股関節症に対する除痛に必要な5つの条件とは
1.静止立位の状態でハムストリングスが優位に働いている。
2.体幹の安定性が保たれている。
3.大腰筋が機能している。
4.腸骨筋の筋緊張がゆるんでいるか。
5.外旋6筋の緊張がゆるんでいる。
これらが揃い荷重できている状態です。しかも、これらを個別にアプローチするのではなく、一つのアプローチで全て網羅できるアプローチをすることで、個別に筋が働くのではなく、それぞれの筋群が協調して働き荷重時に股関節のストレスを軽減してくれます。