第23回 ウォーキング前に一杯のお茶や無糖のコーヒー
これは太りやすいという食べ方があります。たとえばもっとも最悪なのは甘いものと脂肪の取り合わせです。砂糖はインシュリンの分泌を急激に上昇させます。血液の中のインシュリンが高まると脂肪細胞は血液の中の脂肪酸をどんどん取り込みます。しかも脂肪細胞中の脂肪の分解もじゃましますから、細胞はひたすら脂肪をため込んでいくのです。ですから甘いものでインシュリンをドーンとあげたところに脂肪酸がたっぷりあると、ますます脂肪細胞は太っていくというわけです。脂肪と砂糖の組み合わせといえばケーキやアイスクリーム、チョコレートなどの洋菓子ですが、これがダイエットの中では最悪の食べ物となるのです。洋菓子でなくても夕食後のデザートは(食事の)脂肪と甘みがドッキングしやすいものです。コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは脂肪細胞中の脂肪を脂肪酸に分解して血液中に放出し、エネルギーとして使わせようとします。ところが砂糖などを入れて甘くするとインシュリンが上昇して、せっかく分散して血液に出ようとスタンバイしている脂肪酸を邪魔してしまいます。しかもインシュリンは脂肪が細胞の中で脂肪酸に分解することそのものも低下させるので体脂肪はなかなか分解されなくなってしまうのです。いつもダラダラとお菓子などを口にしていると脂肪酸が分解されてエネルギーとして使われる暇がないまま、インシュリンの濃度はあがりっぱなしということで肥満や糖尿病へと転げ落ちていく次第。コーヒーや紅茶は砂糖抜きで飲む方がダイエットには得です。また運動を始めてしばらく時間がたたないと脂肪は分解し始めませんが、カフェインはその待ち時間を短縮してくれます。せっかくですからウォーキングの前には一杯のお茶やコーヒーをどうぞ。インシュリンの分泌は食べ物によって違います。タンパク質を食べてもインシュリンは上昇しますが、なんといっても炭水化物で分泌量は増え特に精製した砂糖などは吸収が早く、一気に分泌量を増やします。ところが炭水化物でも穀物などはゆっくりとインシュリンを上昇させ、その働きも穏やかで脂肪の分解もじゃまされないでエネルギーとして使うことができるのです。しかも同じ穀類でも粉にして作ったパンや麺よりも米のように粒のまま食べる方がインシュリンはよりゆっくりと上昇しますので粉食よりも粒食を!です。そもそも自然の炭水化物は植物繊維といっしょにあるのが普通で、体内ではゆっくりと分解、消化されてブドウ糖に行き着くわけですから、その時はインシュリンもゆっくり上昇します。ところが精製して植物繊維を剥ぎ取り、むき出しの炭水化物にしてしまうと消化吸収される速度が速まり、真っ白の砂糖にいたってはあっという間に分解され、インシュリンも一度に大量が必要とされるようになったわけです。このようにインシュリンはエネルギーを身体にため込もう、ため込もうとしているわけですが、一方で脂肪を動員してかかろうというホルモンもあるわけで、アドレナリン、ノルアドレナリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなど。これらを刺激すればダイエットももっと効果的になるかもしれません。