第19回 ころばぬ先の足
足は第二の心臓といいます。ヒトの筋肉の約三分の二は腰から下についているので、足を使うことによりその筋肉を伸縮させることで血管循環を促進させ、心臓を助けています。ですから身体全体の代謝にとっても足の筋肉はたいへん重要な働きをしていることがわかります。しかし、労働科学研究所の調査では、20才代の筋力は60才になると背筋や腕力は70%の力を保っているのに、脚力はわずか40%になってしまうといいます。
使わない器官は退化し萎縮するという廃用性萎縮の法則がありますが、現代人は足をしっかり使わないために退化してきているのです。古代人と現代人の足形を比較すると、あきらかに現代人は重心位置がしだいに踵寄りになっているといいます。つまり、そっくり返った姿勢になってきて、このまま重心の位置がさらに踵側に寄れば、ちょっと押しただけで倒れてしまうかもしれません。この原因は、子供のころから足指を使うことがなくなり、指がしっかり発達しないために前寄りに体重を支えきれなくなってしだいに重心位置が後退してきたからだそうです。一日一万歩でころばぬ先の足をつくることがなにより大切です。