第18回 脳血管障害の微候
脳血管障害で倒れたあと、そういえばあのときその徴候があった、という場合があります。またその徴候に気が付かないまま発作の可能性を抱えている場合もあり、脳血管障害の徴候を見逃さないことはとても大切です。脳血管障害が疑われるとき、次の事項を確認すべきです。
** 身体の片側や一部に筋力の脱力があるか?(筋力低下) ** 片側や一部がにぶくなったり感覚の異常があるか? ** 視力や視野に異常があるか? ** 言葉を発しにくかったり、理解できなかったりしないか? ** ろれつが回らなかったり嚥下障害はないか? ** ふらつくか? ** 痙攣や意識障害があるか? ** 頭痛はあるか? などが危険の目安になります。また既往症や家族歴も手がかりになるので、高血圧・糖尿病・高脂血症・心疾患・不整脈・喫煙・などを確認するとともに家族にそのような疾患の人がいるかどうかが参考になります。一過性の脳虚血発作とは24時間以内に症状が消えるものですが、ほとんどは10秒から15分以内で、局所神経症状が表れるものです。まぎらわしいものに偏頭痛や低血糖、頭位変換での回転性のめまい(良性)などがあります。比較的軽症で、発作から3日以上たっていて、病状の変化がほとんどない場合は緊急性は少ないといえますが、なるべく早く受診するのがよいと思います。脳血管障害が強く疑われる場合、救急医療が必要となります。