ストレッチングの方法
ストレッチングには、筋肉をゆっくり伸ばす静的ストレッチと、ラジオ体操のようにはずみをつけて身体を動かす動的ストレッチ、筋力をつけるのを目的とするPNFストレッチがあります。1975年にボブ・アンダーソンが発表したストレッチングは静的ストレッチングの代表的なもので、今やストレッチの主流になっています。ボブ・アンダーソンのいうストレッチングには正しい方法と悪い方法があり、正しい方法とは、伸展させる筋群に意識を集中させながらリラックスさせることで、悪い方法とは、はずみをつけたり痛くなるまで伸展させることです。例えば体前屈の時、反動を利用してつま先に手を触れたとして、数分後にもう一度前屈してみると、初めての時より曲がらなくなっていることがわかります。筋は伸展反射という機構によって障害から保護されているので、筋線維を大きく伸ばすと、神経反射の動きにより筋にシグナルが送られ、筋は収縮するのです。だから痛いのを我慢して無理に伸展させるとかえって筋肉を硬くしてしまい、なおかつ過激な伸展を続ける筋線維に顕微鏡的な微細な裂傷生じ、筋肉は徐々に弾力性がなくなって、筋内に瘢痕が残ります。ストレッチになれないうちはつい無理をして伸ばしがちですが、筋の軽い緊張が感じられる「楽な伸展」を10秒~30秒間保持することで、筋肉はほぐれリラックスすることができます。この間の呼吸はずっと止めないで、ゆっくり自然な呼吸をするのですが、ストレッチング姿勢で自然な呼吸が出来ない場合はリラックスしていない証拠なので、やや伸展を戻せばいいのです。毎日のストレッチで、筋肉の柔軟性を増し、可動域を広げ、スポーツ障害も防げます。また気分爽快にして、ストレスを軽減することが可能なのです。