筋肉疲労とマッサージ効果
筋肉疲労とマッサージ効果
スポーツや肉体労働で筋肉が疲労したときにマッサージをすることで、筋肉の疲労が回復することは誰でも知っています。しかし、どの程度の回復が得られたかというと具体的な数値までの報告はあまり聞いたことがありません。持久力を研究しているグループの未発表の資料に、筋活動の休息時間にマッサージ(軽擦法)をするとどのような効果があるかという報告があります。
マッサージをしない群とマッサージをした群にわけて、前腕の把握作業を最大筋力の3分の1負荷で疲労困憊まで行い、これを5分間の休息を挟んで5セット反復させたときのデータです。これによると、マッサージをしない群では1セット目は平均85回の把握作業でしたが、作業効率はしだいに落ち5セット目には35回になり約40%にまで減少しました。しかし、マッサージをした群では、1セット目は85回、5セット目でも70回と約80%維持することができました。このようにデータ的には当然の結果がでたのですが、ここで注目したいのはマッサージ(軽擦法)のみでこの結果がでたことです。手技にはさまざな手法があり、さらに針や灸などの物理療法も組み合わせてみるとなかなか興味深いデータを得ることができるかもしれません。