コンディション作りにアイシング
コンディション作りにアイシング
アイシングは捻挫や打撲といったケガの応急処置としておこなわれますが、スポーツで十分な力を発揮できるように、運動の前後や運動中のコンディションつくりにも欠かせません。運動前のアイシングは、筋肉痛や軽い慢性痛の痛みがあれば和らげて動きをよくする効果があります。またトップアスリートの場合は、運動前に筋肉を冷やして血管反射を起こし、その時にウォーミングアップを始めて、短時間で血液循環を効率良く行う方法をとることもあります。運動中は筋肉の温度が上昇しますが、上昇しすぎると、血液粘性が増して、酸素や栄養の供給に影響し筋肉の性能が低下します。ハーフタイムにアイシングをしたり、マラソンランナーが走りながら筋肉に水をかけたりして、温度を下げることで血液循環をよくし、無駄なエネルギーを抑えて、体力の消耗を防ぐことができるのです。運動後、投手が肩にアイシングしているように、筋肉を酷使すると筋の微細損傷による出血、腫れなど炎症が起こり、筋肉の温度が上がった状態になります。約20分のアイシングをする事で筋肉の温度を下げ、炎症、出血、腫れを抑え、筋肉痛などの障害を予防し、疲労物質の生産を抑え、疲労を早期に回復させるのです。またアイシングの効果を十分に発揮させるためには、コールドスプレーのように表面を冷やすのではなく、筋肉の深部を冷やす0℃氷水が最も効果があります。ただし使用するときには、冷やしすぎて凍傷にならないように注意が必要です。ちなみに冷湿布は、サルチル酸メチルやカンフルなどで冷えを感じさせて消炎・鎮痛や血行促進の効果を期待するもので、幹部を深部から冷やすためには必ずアイシングをすることです。最近ではアイシングしながら動かして治療するクライオキネティックスという考えがあり、中等度や軽度の障害による筋肉のスパズマ(こわばり)の炎症の痛みを和らげながら、軽い運動やリハビリテーションを行うと機能回復を早くすることがわかってきました。アイシングはケガの応急処置、コンディションつくり、リハビリの機能回復と幅広く使われています。