お茶に技あり
1990年に米国国立癌研究所が発表した「デザイナーズフード計画」では、がん予防に効果のある約40種類の野菜や果物、香辛料、嗜好品がリストアップされました。緑黄色野菜ががん予防の代表選手として挙げられますが、ほかにもがん予防に大変有効な植物成分があり、特に最近注目を集めているのが、日本人の食生活に関係の深い緑茶です。お茶に含まれるがん予防物質は「タンニン」から抽出された「カテキン」とよばれる独特のポリフェノールです。フェノールは殺菌効果を持つ物質でフェノール基がたくさん連なった化合物ポリフェノール類に、がん抑制効果の高いものが多数発見されています。緑茶の「エピガロカテキン」、紅茶の「テアフラビン」等はがんの進行を抑えることが動物実験で示されました。
お茶の生産県で茶の消費量が格段に多い静岡県では胃がんの発生頻度がきわめて低く、お茶の有効性が証明されました。緑茶にはカテキンだけでなく、がん予防に効果ありとされるビタミンC、ビタミンE、カロチン、食物繊維のどれをとっても非常に多く含まれています。それもお茶の抽出液ではなく、茶葉に多く含まれているので、抹茶にする等、ぜひとも茶葉を利用したいものです。