脊柱の歪みを作る脊柱の回旋筋
脊柱の歪みを気にされる患者様に良く遭遇します。身体の歪みが重度になると、筋緊張のバランスが崩れたり、関節が部分的に負荷を受けたり、内臓の位置が変化して機能低下するなど様々な身体への影響を及ぼします。これらの歪みは下肢、骨盤、脊柱などを中心に頭蓋や上肢までもが原因になります。多くの原因の中で見落としがちなのは脊柱起立筋の中にある回旋筋です。回旋筋は脊柱後面の最深部にあり、脊柱の側屈と回旋の作用があります。しかし回旋筋は小さい筋群の為、側屈と回旋のトルクはごく小さく、側屈と回旋の動きを作る訳ではありません。回旋筋の重要な役割は脊柱の動きの制動にあります。回旋筋は脊柱起立筋の中でも筋紡錘が多く(多裂筋の4.5〜7.3倍)であり、姿勢の調整に大きく関与しています。例えば、本来であれば左側屈と回旋する場合、右の回旋筋は伸張され筋紡錘からの求心性の刺激により制動された回旋の動きがコントロールされます。また左右の筋紡錘からの求心性の刺激により正中に保持出来る様になります。その為、回旋筋の筋緊張の亢進や萎縮により機能に左右差が生じると、脊柱の動きが粗雑になり姿勢制御系のバランスが崩れ脊柱を自然に歪ませる事になります。その場合、回旋筋の調整をする事が脊柱の歪みに対し重要になります。