ゆっくりな運動が免疫を高める
激しい運動後に風邪をひいたり、子供が運動会や遠足の後に熱を出したりという話を聞きます。これは運動が免疫に影響を与え、中でもNK細胞が反応しているからです。NK細胞は、ウイルス感染やがんに対する初期防衛の役割をし、運動強度に応じて活性が変化します。適度な運動を継続している人の安静時のNK細胞活性は、標準の人より高いことが示され免疫力は高いのです。
問題なのは、無酸素運動による激しい運動や、2時間以上の運動後には顕著な低下がみられ、この時には免疫力が抑制され、感染の危険性が高くなります。普通、活性低下は運動後6時間から24時間で元に戻りますが、時には1週間以上も戻らないこともあります。ですから運動を急激に行うよりは、ウォーキングやジョギング等の有酸素運動を習慣化することによって大きな免疫能力を獲得することが大切なのです。運動の目安はアメリカのスポーツ医学カレッヂによると最大心拍数の60~80%が理想で、自分の心拍数を計算する方法は220から自分の年齢を引いて、その数の60~80%の心拍数で約20分間の運動が効果的です。たとえば40歳の人であれば108から144の心拍数になります。 計算方法 (220-自分の年齢)×0.6(~0.8)