骨粗鬆症の治療について
更年期以降の女性に多い骨粗しょう症の予防や治療には、エストロゲンを中心としたホルモン補充療法が有効だとされてきました。閉経後のエストロゲン投与は骨密度の低下を抑えるだけでなく若さを保つということで、欧米では大変ポピュラーな療法になっています。日本でも普及し始めているようですが、幸い欧米ほどには受け入れられていないようです。幸いというのも、昨年7月以来、米国にいくつかの医療専門家からホルモン補充療法に対してイエローカードが出されているからです。ホルモン補充療法は骨粗しょう症や痴呆、大腸がんなども予防的に押さえるのですが、乳がんや心臓発作、脳卒中、血栓のリスクはメリットを上回るので控えるようにとの勧告が出されています。骨は、破骨細胞による骨吸収と、骨芽細胞による骨形成を繰り返していて10年ほどですっかり入れ替わりますが骨形成が骨吸収においつかなくなると骨はスカスカになってしまいます。エストロゲンは骨芽細胞にくっつくと骨を形成するように働くだけでなく、破骨細胞の働きにブレーキをかけます。したがって閉経によってエストロゲンが減るとブレーキが効かずに骨吸収が激しくなって骨密度が低下するというわけです。今回の警告はホルモンの利用が一筋縄ではいかないことを示しているといえます。そこでエストロゲンの補充療法に変わるものとして注目されているのがビスホスホネート製剤です。ビスホスホネートはエストロゲンと同じように破骨細胞の働きを抑制して骨吸収を抑えます。日本でもビスホスホネート製剤は7年ほど前から使われるようになっていましたが、骨の形成まで抑制することがあって使い方が難しいのが難点でした。最近では骨吸収抑制作用が5000倍も強いという第3世代のビスホスホネ.-ト製剤が開発されて期待がもたれ、これから骨粗しょう症の治療薬の中心になることが予想されます。
ワンポイント!
日光浴と足裏に刺激をあたえましょう。散歩することをおすすめします。体調に応じた時間、距離でやりましょう。水分補給も忘れないでください。
治療室の長いすの下にオレンジ色のゴムマットがあります。これも非常に効果的なので待ち時間の時に是非やってみてください。足の冷えや、むくみ、疲れにも効果的です。